実績・活動報告

Activity

2023年からは、地域の皆さまの実績・活動報告とし、
地元に役立つホームページを目指してまいります。

活動報告

2023.04.18

知って、見て、やって得するシル・リハ体操

「シルバーリハビリ体操」をご存知ですか?茨城県立健康プラザの大田先生が考案された、日常生活で必要な動作を維持するための、下記2種の体操です。
「いきいきヘルス体操」関節の拘縮を予防
「いきいきヘルスいっぱつ体操」筋力強化、体力向上
体操指導士さんのもと、近くの公民館等で、無料で行われています。
続けているといつの間にか一人でも出来るようになり、関節の痛みが和らぐなど、住民主体の、身体に優しい体操です。指導士さんは、資格を取得した地元住民の方ですから、とても親しみがあり、説明しながら、参加者のペースに合わせて進めてくれます。
15道県89市町村に普及しており、結城市でも22か所以上の教室で開催されています。

茨城県は、2005年度から住民参加型の介護予防事業として、60歳以上の県民を対象に、シルバーリハビリ体操指導士の養成を本格的に実施してきました。
学術的にも高齢者の健康づくりや地域の介護予防に有用であることが示唆されており、2015年には「健康寿命をのばそう」の優良事例として、厚生労働大臣・優秀賞を受賞しています。

2025年には、団塊世代が75歳を迎え、本格的な高齢化社会に突入しますが、医療や介護の資源は限られていますから、このような「住民が主体となる健康づくり」は、地域包括ケアシステム※1の基盤となる大切な取り組みです。
介護予防・高齢者のためと聞くと「自分には関係ない」「まだ必要ない」と思う方もおりますが、公民館などで、近所の方々が集まって行いますので、社会参加にもつながります。

逆井公民館にて:体操指導士さんのお手本に合わせて、皆さん一所懸命取り組んでいます。

逆井公民館にて:体操指導士さんのお手本に合わせて、皆さん一所懸命取り組んでいます。



背臥位から、最後は起き上がり方まで、様々な体操が続きます。

背臥位から、最後は起き上がり方まで、様々な体操が続きます。



介護予防の3本柱は、運動・食事・社会参加です。
年齢とともに、病気や怪我、薬の数が増え、足腰が痛い、疲れるようになったと不安を抱えている方は多いと思います。
3本柱が大事だと分かっていても、運動習慣がないのに明日から散歩に行くことは難しいですし、世間体も気になります。個人の頑張りだけで変えられる行動には、限りがあるように感じます。
だから「社会環境の整備」が必要なのではないでしょうか。
そっと住民の背中を押してくれるナッジ理論※2等の行動科学やIT(情報技術)を駆使し、歯磨きするのと同じ感覚で体操や歩行が行えるような「社会環境づくり」が進めば、個人のハードルが下がり、自然と3本柱に取り組む住民が増えるのではないでしょうか。

次世代への負担を減らし、高齢者が安心して胸を張って過ごせる町づくり、「住民参加型」と「社会環境の整備」を基に、子どもから高齢者まで、みんなに優しい町づくりが求められていると思います。
人間同士の温かなつながりや、信頼、安心感が健康を促進させるという事実も研究で示されています。
住民主体の体操や通いの場等を充実させ、人と人とのつながりを通じて、参加者や参加の場が継続的に拡大していくような地域づくりが推進されることを願っています。

近隣には、春色に染まった遊歩道があり、ウオーキングに最適です。この景色を多くの方に知ってもらう事も、社会環境づくりのひとつです。

近隣には、春色に染まった遊歩道があり、ウオーキングに最適です。この景色を多くの方に知ってもらう事も、社会環境づくりのひとつです。



※1地域包括ケアシステム:
住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が地域で一体的に提供されるシステム

※2ナッジ理論:
人々を強制することなく、望ましい行動に誘導するようなシグナルまたは仕組み

【参考文献等】
茨城県立健康プラザ
厚生労働省 第4回健康寿命をのばそう!アワード
▷近藤克則 健康格差社会 第2版