実績・活動報告

Activity

2023年からは、地域の皆さまの実績・活動報告とし、
地元に役立つホームページを目指してまいります。

活動報告

2023.06.25

次代を担い未来に羽ばたくラオスの若者たち

茨城県青年海外協力隊を育てる会
会長・小川一成様、桜川支部長・白田信夫様、副会長・臼井平八郎

私たち3人は、4月30日に日本を出発、翌5月1日にラオスのルアンパバーンに到着しました。
ルアンパバーンは、ラオス北部にある町で、メコン川とナムカーン川の合流地点に位置する古都です。
1975年までルアンパバーン王国の王宮が置かれていた町で、市街地全体がユネスコの世界遺産に登録されています。

このルアンパバーンと育てる会は、21年前にスタートした高校生の招聘事業を中心に交流を行ってきました。
この事業は、5年に1度、ラオスの高校生15人を日本に招き、ホームステイをしながら文化や教育を体験し、茨城の自然や科学技術に触れるというプログラムです。
これまでに3期45人の高校生が来日しました。そして昨年、4期目の受け入れを計画していましたが、コロナ禍のために断念しました。

今回のラオス訪問の一番の目的は、これまで日本に招いた高校生たちが、ラオスでどのように活躍しているかを知るためでした。

5月1日にルアンバパーン空港に降り立つと、21年前に茨城県に来た1期生の女性2人、チャンマニーさんとボントーンさんが出迎えてくれました。
そして、1期生10人、2期生13人、3期生13人がラオス全土から駆けつけ、懐かしい笑顔を見せてくれました。

ラオス①


私たちは、さまざまな分野で活躍している彼らの話を聞き、そして職場や家庭にも訪問しました。
1期生、2期生はすでに社会人となり、日本で体験したこと、感じたことを糧に頑張っています。
3期生は大学に進み、将来の夢を描きながら勉学に励んでいます。

ラオス②


「日本の人たちはとても優しかった。ラオスと日本の懸け橋になりたい」とラオスで日本語学校を設立した生徒。
茨城で日本のロボットやロケットなどの技術を目の当たりにし、もっと勉強をしてラオスの子供たちに伝えたいと、学校の教員になった生徒。
日本の建築を見て、素晴らしい建物を造りたいと建築家になった生徒。
日本の衛生状態が素晴らしいことに感銘を受けて、大学で公衆衛生について教えている生徒。
そして米国大使館の通訳や政府機関の職員、公務員、ホテル事業など、さまざまな分野で活躍していました。
そして、実際にその職場を見学させていただくことができ、彼ら、彼女らは、生き生きとした笑顔で働き、日本での体験を生かして国造り、人づくりに貢献している姿に感動すら覚えました。

今回の訪問のもう一つの目的は、ラオスのCCC(子供文化センター)所長をつとめ、世界遺産所長として私たちを支えてくれた故ブンコン氏の墓参をすることでした。
CCCは、ラオスの各地に造られており、学校教育以外に伝統舞踊や音楽、図画工作などを通して情操教育を行っています。
育てる会が招いた高校生は、ルアンパバーンにあるCCCを通して選ばれています。ブンコン氏は、CCCの生みの親ともいえる存在で、麻薬や犯罪などのさまざまな危険から子供を守るとともに、情緒教育を通して生きる力を身に着けてもらおうと設立され、今ではラオス全土に活動が広がっています。
そして、ルアンパバーンのCCCは、新しい場所に移転することが決まり、現在、新CCCの建設が進められていました。



数年ぶりのラオス訪問で、ルアンパバーンの町も様変わりしていることが感じられました。
中国の援助で高速鉄道「中国ラオス鉄道」が走っています。
ルアンパバーンの町から30分ほど郊外に出たところに駅舎があり、中国国境からラオスの首都・ビエンチャンまで新幹線が走っています。世界文化遺産の街並みには、EV(電気自動車)が走っています。

今回の訪問では、茨城に来た高校生たちが、立派に成長して幅広い分野で羽ばたいている姿に、今まで行ってきた活動の確かな手応えを感じました。
そして、昨年は残念ながら中止せざるを得えなかったラオス高校生の第4期の招へいは、現地のCCCや育てる会の仲間と話し合って、近いうちにぜひ再開していきたいと思っています。
最後に、忙しい時間を割いて私たちをサポートしていただいた仲間たちに深く感謝をいたします。